フルートを吹くのが難しい理由
初心者にとって、フルートは他の木管楽器に比べて音を出すのが難しいと言われいています。
その理由は、音を鳴らすためのリードや、息を吹き込むだけで音を発してくれるリコーダーのような構造になっていないからです。
しかしそれ故に、より自由な吹き方が出来、吹き方によって様々な音のバリエーションや、演奏者ごとに違った個性的な音色を作り出すことが出来るわけです。
ですから、初心者にとって音が出しにくいという構造は必要悪と言えるかもしれません。
ところがもう一つ、フルートを吹くのを不必要に難しくしている点があります。
それは、他の吹奏楽器と比べて演奏する時にしっかりと手や口に固定できないことです。
特に高音域の音、2オクターブの「ド#」などは、ほとんどの指をキーから離さなければならないので、フルートを唇にしっかりと固定させるのが大変難しくなります。
これはフルートを吹いている人なら誰でも感じていることだと思います。
クラリネットやサックスフォーンでは、マウスピースを口で締め付けて、上の歯に押し当ててしっかりと固定した状態で全ての音を演奏できます。
また、楽器全体を安定して支えるためにサムレストと言う金具が楽器自体に初めから付いています。特にサックスホーンは首にストラップを掛けて吊るすような構造になっていますから、演奏中に楽器が滑り落ちることを心配することは一切ありません。
ところがフルートにはそういった、手や口にしっかりと固定させるための金具などが一切ないのです。
これはフルートがとてもデリケートな音を出す楽器なので、少しでも音質に影響するような金具などを取り付けることが嫌われるためだと思われます。
しかし、これがフルート奏者にとって、高度な演奏をすることを大変難しくしているのです。
馴れて来ると、たいていの人は何とかフルートを滑らないように支えることが出来るようになっきますが、それでも汗で手がぬれたり、難しい指使いの曲を演奏するときなどは、上級者でも楽器を安定して支えるのは難しい場合がよくあります。
また、生まれつき指の関節が極端に外側に曲がりすぎる二重関節と呼ばれる体質の人や、逆にほとんど外側に曲げることが出来ない人、手が小さい人、あるいは怪我や年をとることで、フルートを支えにくい手の形になってしまった人も少なからずおられます。
フルートを上手に支えるのも、演奏技術の一部だと考える人もいますが、楽器が簡単に支えられる構造になっていれば全く不要な演奏技術だと言えるでしょう。
もしフルートが、クラリネットやサックスフォーンのようにしっかりと安定して支えられる構造になっていれば、難しい曲ももっと楽に演奏することが出来ると思いませんか・・・?
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