コブラの補強と補修 + α

自分で出来る補強と補修

コブラのテールの表面はフルートと接するため、フルートへの傷防止と、すべり止め効果を高める為にプラスチックの上にコーティングが施されています。(ヘッドの部分にもゴムのコーティングがされているものもあります。)

このコーティング素材には、柔らかいゴム(シンセティックラバー)が使われています。

最近作られたコブラは、初期のものと比べてゴムの強度や、厚みなども改善されて来ていますが、フルートがコブラに接触する部分は、かなりの圧力で摩擦が生じることになりますから、どうしても車のタイヤのようにゴムが磨耗して行くことは避けられません。

どれくらいの期間で補修が必要となるかということは、コブラの使用スタイルや、一日の使用時間など、様々な要因によって大きく変わってきますので、残念ながらお答えすることは出来ません。

これまでのコブラはゴムのコーティングの下はプラスチックであった為にゴムが磨り減るとフルートがゴムより硬いプラスチックと直接接触する事になりましたので、フルートが滑りやすくなったり、場合によってはフルートを傷つける可能性もありましたのでプラスチックが表面に露出したときには直ちにゴムコーティングを補充してやる必要がありました。 

現在ではその欠点を解決するためにテールの先端のプラスチックの上に革製の小さな円形のパッドを並べて貼り付けています。 ですから表面のゴムが部分的に磨り減っても革製のパッドが露出するだけなので、以前のようにフルートが滑りやすくなったり、傷つきやすくなる事はなくなりました。 

従って、ゴムの補修が必要となるのは基本的には、プラスチックとゴムの中に埋め込まれた革のパッドが剥がれ落ちてしまった時、ということになります。 従来の革パッドが埋め込まれていないものと比べると、ゴムコーティングの補修が必要となるまでの期間は3倍以上長くなったと考えます。


以下はゴムコーティングの一部が磨耗して下地のプラスティックが表面化するようになった場合などを想定して、ご自分で簡単に補強や補修をする方法、その他コブラを更に使いやすくするアイデアなどを紹介することにしました。

コブラに使用しているゴム皮膜

コブラに使用しているゴム皮膜は、コブラを製造した時期によって違いがあります。

ゴム素材の種類としては、天然ゴム、ウレタン、シリコン、ラテックス、その他・・・

細かく分けると非常に沢山の種類があります。

その中で、強度や粘度、摩擦力、加工のしやすさなどを考慮して、
より最適と思われる素材を発見するたびに何度か変更してまいりました。

それと同時に加工法なども変化してきています。

筆塗り、スプレー、熱処理、ディップ、キャスティング・・・等
様々な加工法を試みてきました。

中には熟練を必要とする大変難しい加工法もあったりします。

ですから今までこのサイトでは、ゴム皮膜の補修方法について、 一般公開はしていませんでした。

お問い合わせがあったときのみ、有料での補修を含めて個々に対応しておりました。

もう一つの理由はコブラはこれまで、特許申請中でありましたので、技術的なことを一般公開することが出来なかったと言うこともあります。

現在では特許が正式に認可されましたので、技術的なこともある程度一般公開できるようになりました。

それと、最近ではコブラをご愛用いただく方が多くなりましたので、全てのご質問にメールで詳しく個別に対応して行くことが難しくなってきたこともあります。

そこで、ご自分で簡単に出来るレベルでの補強法や補修法をこちらで一般公開することにしました。

それでも、ご自分では難しいと感じられましたら、いつでもご遠慮無くメールでご相談下さい。

それでは、一番質問の多いゴム皮膜の補強と補修法について説明していきます。

 

素材

コブラは上で述べましたとおり、製造時期によって素材が変化しています。 (これからも変化する可能性があります)

しかし、これから紹介する素材は下地にどんな材料が使われていたとしても、上塗りすることで修理、補強が簡単に出来る優れものです。


商品名は、「プラスティディップ」と言います。

plasti-1

プラスティディップ 300g ブラック

この素材はアメリカで開発されたものですが、調べたところ日本でも最近販売されるようになっています。

日本ではプロトという商品名でも販売されているものもありますが、中身は全く同じものです。

注意することは、容器が缶詰の缶のようなもので、プラスチックのあまり密閉性の無い蓋が付いています。

この蓋はかたちだけのものなので、いったん開封すると中身が数日で乾燥してしまいます。

長期間保存するにはジャムなどを入れる密閉性のある蓋付きのガラス瓶に入れ替えて保存します、そうすれば1年以上保存できます。 乾燥して粘りが強くなりすぎた場合にはトルエンかアセトン系のシンナーで薄めればペンキのように粘り具合を調整出来ます。

それとは別に、日本で開発された「液体ゴムBE-1」という商品名のものがあります。

EkitaiGom

ユタカメイク 液体ゴム BE−1 白

この商品は 水溶性で扱いやすいのですが「プラスティディップ」と比べると強度が弱く、コブラの補強、補修用としては使えません。

コブラの補修用として使えるもう一つの素材は、「プラスティディップ」と同じメーカーから販売されている「リキッドテープ」と言う商品です。

Liqid-T
「リキッドテープ」

「リキッドテープ」のほうが「プラスティディップ」より少し強力ですが、 買ったままの状態では粘りが強すぎて滑らかに塗るのはかなり難しいです。

シンナーで薄めて使う必要があるので、ある程度の経験とテクニックが必要です。

それから、お客様からコーキング用の「シリコン」は使えないかという相談も時々受けますが、シリコンは弾力性があり良いのですが、「プラスティディップ」と比べると、同じ厚みの場合強度が劣ります。

それと、滑らかに塗布するのが難いのと、乾いたときに表面がツルツルになるので「プラスティディップ」より滑りやすいと言う難点があります。

表面がデコボコで見苦しくなってもかまわない、というのであればヘラなどを使って塗ることは可能です。

これはあくまで自己責任でやって下さい。

ということで一番オススメできる素材は今のところ「プラスティディップ」ということになります

 

「プラスティディップ」の使い方

「プラスティディップ」の使い方ですが、コブラのゴム皮膜が薄くなった部分に、プラスティディップを筆か爪楊枝などを用いて塗ってやります。

塗ったときの厚みは1~2mmくらいになり、かなり盛り上がってしまいますが、乾くと10分の1以下の厚さになります。

なので、ある程度乾いてから重ね塗りを必要に応じて2~4回程度繰り返します。

問題は、補修した部分と、していない部分に多少段差が出来てしまい見苦しくなる事です。

それでも実用的にはほとんど問題ありませんが見た目が気になるという人は、最後にコブラのテール全体を「プラスティディップ」の容器の中に気泡が出来ないように、ゆっくりと浸してゆっくりと引き上げて下さい

引き上げたときにはフランクフルトの皮のように、かなりの厚みになっていますが、乾くと10分の1以下の厚さになりますので、慌てずにそのまま洗濯ばさみなどではさんで、どこかに吊るして乾かすようにして下さい。

約一時間くらいで指で触ってもべたつかない程度になりますが、実際にフルートが吹ける強度になるには最低1日くらいかかります。完全な強度が出るのには1週間程度かかります

余談ですが、在庫切れなどで注文を受けてから作ったコブラは完成後、1日程度乾燥させてピニール袋にいれて出荷するのですが、ビニール袋で密閉され たコブラは配達中に乾燥 が進みません。

ですからコブラが到着した後、すぐにコブラを使って長時間フルートを吹いた場合、2~3日でゴム皮膜が破れてしまったという事故が何件か報告され ました。

コブラが到着したばかりの時のゴム皮膜は場合によっては、まだ乾燥が十分でなく、ゴム皮膜の強度が弱いことが原因であることが判明しました

コブラ到着後最低3日くらいはコブラのゴム皮膜に出来るだけ負担を掛けないようにして使用するようにして下さい

・・・余談でした。

しかし、そうした事故が起こった場合でも、上記の方法でご自分で比較的簡単にゴム皮膜は修理することが可能です。

コブラはご自宅に届けられたときには、ある意味まだ未完成の製品とも言えます。

ご自分の手の形や、フルートの吹き方に合わせてコブラの形状を調整することによって最終的な完成品となります。

塗装が剥がれたときの修理方法

コブラのヘッドやワイヤーなどの塗装が剥がれた場合には、マニキュアか、自動車の小さな傷用修正ペイントを使ってブラシで修正される事をお勧めします。 スプレー式のペイントでの塗装は細かいマスキング作業が必要になりますので綺麗に塗布するのが非常に難しいのでお勧めできません。

ご購入者様から頂いたアイデア

コブラをご自分用にさらに使いやすくするためのアイデアを紹介します。


accept コブラの背中にエキストラの自作のクッションを追加!

東京の H.T.様より

Mistic Media
 本日,コブラを受領しました.
 早速,装着して試奏してみたところ,確かに,
管体の回転を防ぐのに大いに効果がありまし
た.構造上,人差し指に多少負担がかかるの
はやむを得ませんが,今後ヘッドやテールの
角度を調節して行こうと思っています.
 どうも,ありがとうございました.
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2回目のメール


 その後,いろいろ試していたところ,装着している
ことをまったく感じない角度が見つかり,管体回転の
悩みから完全に解放されました(とはいえ,音質が
改善されたわけではありませんが,それはコブラとは
関係ありません).
 ということで,インストラクターやレッスンの仲間に
コブラを紹介しておきました.
 どうも,ありがとうございました.
 ・
 ・
 ・
3回目のメール

 前回のメールで申し上げた通り,サイズが
やや大きめなので,針金を革で覆ってみま
した(写真を貼付しておきます).
 Cobra-leather-1
シロウト細工
なので革の無駄が目立ちますが,ある程度
サイズ補正の目的を達し,針金が指に当たる
感じを和らげることもできて満足しています.
 何かのご参考になれば幸いです.
Mistic Media からの返信
H.T.様

またまたのご感想ありがとうございます。
今回は写真付きで説明してくださり
改良点がとてもよく解かりました。

コブラの背中にレザーその他のクッションを
取り付けるというアイデアはあるのですが
商品化するとなると、耐久性の問題、カラーのバリエーション、
加工法、など様々な問題を解決しなければならないので
商品化にまでは至っていません。

オプション(特注)として背中のワイヤーの一部を
プラスティクで覆うことは

可能性がありますので、商品化を考えています。


コブラはある意味、半完成状態の商品とも
いえます。

お客様の好みに合わせてお客様が自由に調整等を行って
初めて完成品になるものと言えます。

完成させる最後の工程はお客様に委ねられますので
お客様のスキルによっては、十分に満足行かない状態で
ご使用になられたり、最悪は返品と言う形になる事もあります。

そこは、コブラに自由度を持たせるための
必要悪と言うことで、ある程度は仕方のないものと考えています。


今までにも電気工事用のヒート・シュリンクチューブを被せられた
と言う報告をいただいたことはありますが、
レザーを被せられたという報告はH.T.様が初めてです。


コブラは小さなものなので、レザーを上手に加工するのは
大変難しい作業であると思います。

お写真を見るとかなりピッタリと張り付いているように
見えますが、糸で縫われているのでしょか、
それとも糊で張り付けられているのでしょうか?

見るからに、指の背中に掛かる負担が和らげられる
感じがします。

素晴らしいアイデアと加工技術だと思います。

コブラは小さな品物なので、細かい作り込みは
それほど気にならないと思いますが、
お写真を見て、商売柄もう少し理想的なシェープに
して見たいと思いました。

そこで、いただいた写真を元にフォトショップで
少しだけ、形を整えてみました。

1枚目は、レザーのエッジをただ丸めただけのものです。
 
Cobra-leather-1fix

2枚目は、全体を可能であとろと思えるギリギリの
あたりまで、余分なレザーを取り除いてみました。
Cobra-leather-2fix 
これでかなりスッキリした形になりましたね。

このくらいまでなら、もう少し頑張ればご自分でも加工が
可能何ではないかと思います。

ただし、よく切れるナイフなど特殊な工具が必要かな
思います。

私はフォトショップで画像を加工しただけなので
簡単に出来ましたが、実際にはかなり難しい作業に
なると思います。
*その後のご連絡で、レザーは糸で縫って留めているのではなく、
ボンドで貼り付けただけ、ということでした。 


*皆様もコブラは送られて来た形のままではなく、
ご自分にとってより使いやすくするために、

この方のように必要に応じて、ご自由に工夫して
お使いになって下さればと思います・・・。

*現在ではBタイプとCタイプには標準でレザーのパッドが取り付けられています。

 accept コブラをフルートケースに入れて持ち運ぶときのアイデア!

兵庫県のYHさんの奥様のアイデアです。


YHさんは普段アマチュアのオーケストラでオーボエを吹いておられる方なのですが、
フルートも吹かれる方です。

奥様もフルーティストなのですが音大を卒業した後プロにはならず、
専業主婦をしながらアマチュアオーケストラでフルートを
吹いておられるそうです。


ご夫婦で音楽演奏を趣味としておられます。


アマチュアといっても、ハイレベルな演奏活動をされているご夫婦です。


ご夫婦そろってコブラをご購入いただき、コブラを大変気に入って頂いているのですが、

コブラの問題点を一つご指摘いただきました。

それは、コブラの保管と、持ち運びについてです。

コブラには持ち運び用の専用のキャニスターとパウチが付属しているのですが、
キャニスターは金属で出来た不透明の容器なので、蓋が閉まった状態では
中身が入っているのかどうか外からは確認できません。

コンサートなど自宅外でフルートを演奏する場合、キャニスターにコブラが入っている
つもりが、現地に行ってキャニスターの蓋を開けたらコブラが入っていなかった・・
という事故が起こる可能性が高いということなのです。

それと、調整の仕方によってはコブラがキャニスターに収納できなくなる
形状になることもあります。

その場合、付属のキャニスターを使用することが出来ません。


そこで、何とかフルートケースの中に直接コブラを収納したいと
考えたそうなのです。

ところが奥様が使っているフルートケースはフルート以外の小物が入るスペースが
無いのだそうです。

しかし、よく見ると頭部管と主管の間にコブラが収まるスペースがあることが判ったので、
そこにコブラを収納されることにしたそうです。 

ところが、コブラを裸で収納するとケースの中でコブラとフルートがこすれて、
フルートが傷付く可能性があります。

そこで、それを防ぐために最初コブラをティシューで包んで収納したそうなのですが、
なんとなく見栄えが良くないし、ティシューを度々変えてやる必要もあったりで、なにか
良い方法は無いかと考えていたそうなのです。

そして、ある日発見したのが、写真のティーパックです。

ochapack-1s

 ochapack-2s

このティーパックなら、大きさもちょうどいいし袋状になっているので、ティシューのように
いちいち包まなくて良いし、ケースの中でコブラが固定されるので移動中に
コブラがころころ転がってフルートを傷つける心配もありませんね。

もし、あなたも何らかの理由でフルートケースの中に直接コブラを保管したいと
考えておられるなら、この方法を参考にしてみてください。

YHさんご夫妻、素晴らしいアイデアのご提供ありがとうございました。


accept コブラをフルートケースに入れて持ち運ぶときのアイデア! [2]

宮崎県のSTさんのアイデアです。

上のYHさんのアイデアに次いで、別のアイデアをいただいたので紹介します。

>>使用法としては私は超アマチュアですから適切な使用法か否かわかりませんが、
ご要望により、参考までに写真を2枚添付しました。
1.メインのフルートと、バックアップ用フルートにそれぞれ添付しています。
いつも楽器についていないと少し煩わしい感じがしますので、
単なるわがままです。
2.ついでに蛇足を申し上げれば、右手親指はThumbport1で左手がCobra
という使い方です。いずれもフルートケースを加工して、セットで収納できる
ようにしています。<<

 storage-1s  storage-2s

STさん、素晴らしいアイデアありがとうございました。

私のコメントですが、こちらの方法はかなりの工作の技術を要求される方法であるのと
フルートケースによってはこのような加工が不可能なものもあると思います。

それぞれのお持ちのフルートケースを上手に加工する技術がある人には
とても参考になる方法だと思います。


それにしても、ここまでやるか! という凄い方法のご提供ありがとうございました。

 


ゴム皮膜以外の部分が壊れた場合

ゴム皮膜以外の部分が何らかの事故で壊れた場合、例えばワイヤーを何度も曲げ過ぎて切れてしまったとか、踏んづけてヘッドやテールのプラスティックの部分が壊れたなどという場合、残念ながらご自分での修理はほとんど不可能です。

そういう場合には修理をご依頼いただいても、新しく購入していただいた方が修理するより早いし安上がりということになります。

お試し期間が過ぎた、リピート購入のお客様の場合、特別サイズのご指定やその他ご希望がある場合には、最初からご要望に応じたものをお作りすることが出来ます。

ご要望の内容によりましては追加料金をいただくことになるかもしれません。

ご購入前にメールでお問い合わせ下さい。

2回目以降にコブラをご購入の場合にはリピート購入と、注文用紙の備考欄に書いて下さい。

ご購入者リストに同じお名前と住所がありました場合、特別サービスを受け付けいたします。

以上です。

今後、更に詳しい説明や情報の追加をすることがあるかもしれません。

ご不明な点やご質問等があれば、左メニューバーの最下部にある「お問い合わせ用メールフォーム」からお問い合わせ下さい。

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